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マイライフ in 北六甲 vol.1~「日向牧場」日向みどりさんの場合(前編)

9月に入り、多少は暑さも和らいできた感がありますが、それでもまだまだ日中は汗をかきますよね。
三田、藤原台の各エリアにスポットライトを当てて紹介してきたこのブログも、今月から北神戸エリアに地域を拡大してお届け。六甲山を望む緑豊かなこの地域の魅力を、みなさまによりお伝えできるようなブログにしたいと思います。記念すべきリニューアル第1回は、新三田駅近くで酪農を営む日向牧場の日向みどりさんにご登場いただきます。

(プロフィール)
日向みどりさん

北海道生まれ。日向牧場に嫁いで36年になる。2000年に立ち上げたチーズ工房部門の統括を担当。酪農家の妻として、チーズの営業マンとして、そして主婦として日々奮闘中。

地元で半世紀以上続く牧場

Q.
三田というと、肉牛のイメージがあるのですが?

A.
そうですよね、神戸牛、三田牛は上質の肉牛として有名ですよね。しかし、うちのように乳牛をやっておられる方も三田市内だけで10軒以上ありますよ。
現在、うちの牧場には100頭前後のホルスタイン牛がおり、毎日2トンほどの牛乳を出荷しています。戦後間もない頃に、北海道から乳牛を導入して始めた牧場ですので、かれこれ半世紀以上の歴史になります。夫の両親の代、夫と私の代、そして現在は次男がかなり参入してくれていますので、彼が3世代目になりますね。

もともと私の生まれは北海道なのですが、結婚した当初は酪農の「ら」の字も知りませんでしたね。結婚に際して夫に言われたのは、「始めてだから、作業はできなくて当たり前。あせらなくていい。ただ、最終的に今母がやっていることをして欲しい」ということ。この言葉があったので、不安もありましたが、「どんな暮らしなんだろう?」という好奇心のほうが大きかったですね。うちは酪農のほかに農業もしているので最初は覚えることが本当にたくさんありました。


結婚当初は、日常の作業でも戸惑うことが数多くあったと言う


豊かな自然は三田の財産

Q.
当時の三田と現在の三田を比較すると?

A.
実は私は、高校時代を篠山のすぐ北にある柏原で過ごしているんですよ。ですから、このあたりの景色は古くからなじみがあります。とは言っても結婚する直前は東京で働いていましたので、嫁いできたときにやはり「すごい田舎!」という印象が非常に強かったですね。
今でこそ三田は大阪のベッドタウンとして栄えていますが、当時はJR福知山線も田園風景のなかを走るのどかな単線でしたし、うちの牧場から見える新三田駅もありませんでした。確か、当時の人口は3万人ほどだったと思います。それが今では10万人を軽く越えていますからね。

主婦の立場として言えば、買い物なども近郊で済ませることができますし、だんだんと便利になっていくのは嬉しいことですね。ただ、私たちは酪農と農業という自然を相手にした仕事をしていますでしょう? その立場から考えると、「便利になることだけがすべてではない」という思いも強くあります。このあたりはまだまだ自然も多く残っていますが、これは三田が誇るべき大切な財産です。やはり身のまわりに花や緑、あるいは生き物がいてこそ、自然と共生しているということですから。私は、牧場や田畑も自然を残すひとつの手段だと考えています。
「暮らしやすくて、かつ自然も多く残る町」といったら欲張りすぎかもしれません。でも三田には、そんな町になってほしいですし、十分にその可能性が開かれていると思います。


近くには武庫川が流れる。青々とした田の向こうが日向牧場


ちょっと眠そうな牧場の愛犬モモちゃん。大きな牛も怖がらないとか

50歳から始めたチーズ作り

Q.
チーズ工房を始められたきっかけは?

A.
50歳になったときに「私の仕事と言えるものが何かできないだろうか?」と考えました。ちょうど子供たちも手がかからなくなりましたので。そこでたどり着いたのがチーズだったんです。主人も私の思いを感じて後押ししてくれました。もちろん、牧場の仕事も農作業もそれぞれ一家の大切な仕事ですから、それを疎かにするわけにはいきません。そうした仕事の合間を見つけてはチーズの試作に取り組みました。「始めるからには趣味にするのではなく、仕事にする」が自らに課した条件。しかし、最初は本格的なレシピもない状況でしたね。醸造や発酵を専門的に勉強したわけでもありませんし、市販の本を読んでは、試作と改良を重ねる日々でした。幸い我が家は牧場ですので、牛乳という原材料に困らない点は大いに助かりましたよ。

約2年に渡って改良を続けて、2000年にチーズ工房を立ち上げました。ここは、日向牧場のチーズ工房ではありますが、独立採算制をとっていて牛乳も牧場から仕入れるんですよ。当時は私だけで運営していたものですから、チーズの種類も1種類、モッツァレラチーズを専門に、近隣のギャラリーや農作物直売所「パスカルさんだ」に卸売りをしていました。
2003年から現在のチーズ工房のパートナーである高橋を迎え入れ、生産量とチーズの種類を増やして現在に至ります。彼は、北海道やイタリアでチーズ作りの経験を積んだ職人なんですよ。現在販売しているチーズは全部で8種類ですね。


牛乳の味わいを生かしたチーズにファンも多い。写真は「モナミ」

「自然と人が共生できる環境って素敵ですよね」とお忙しいなかにも関わらず、いろいろなお話を聞かせてくださった日向さん。自然を相手にお仕事をなされている方ならではの視点に「なるほど」と思うことがたくさんありました。次回は、チーズにかける日向さんの思い、チーズ作りへのこだわりを語っていただきます。どうぞご期待ください!


■ 日向牧場

住所:三田市西野上451
電話/FAX:079-567-1016
HP:http://cheese.moo.jp

※日向牧場は観光牧場ではありません。また、牧場でのチーズの直売は行っておりません。日向牧場のチーズが買えるお店についてはホームページにてご確認ください。

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